●【愛知】県職員、今度は買春で逮捕 幹部ら衝撃、意気消沈
2008年4月23日中日新聞
青少年健全育成業務を担当していた県社会活動推進課の三浦輝樹容疑者(44)が22日未明、児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕された。県職員の逮捕はこの1カ月余りで4人に上る。さらに、青少年の健全育成に取り組む職員による児童買春だけに、県政の根幹を揺るがしかねない事態だ。県民の信頼をどう取り戻すのか。県には重い課題がのしかかっている。(石川浩)
「全く知らなかった。衝撃でした」。自宅で警察から逮捕の一報を受けた神原義治課長はショックを隠さない。石川延幸県民生活部長も会見で「言語道断で、弁明の余地はない」とうなだれた。
三浦容疑者は1986(昭和61)年に採用後、2006年4月に同課に配属され、有害図書の指定など青少年健全育成策を論議する審議会業務などを担当。非行経験がある青少年の野外活動などにも参加していた。「与えられた仕事は堅実にこなしていた」(同課)という。県は今後、処分を検討する。
県は相次ぐ不祥事を受け、服務規律を担当する課長会議を開催したり、「勤務時間外でも常に公務員としての自覚を持つ」などと綱紀粛正を指示する総務部長名の通知を出したりと対応に追われた。通知は10日前に出したばかりで、今月は2度目という異常ぶりだ。
不祥事防止のチェックシートの全職員への配布などを決めたが、河村敏文人事担当局長は「公務員倫理を繰り返し徹底するしかない」と対応に苦慮している。
県職員の相次ぐ逮捕に、県社会活動推進課などには、県民らから「けしからん」などと抗議の電話が相次いだ。
三浦容疑者は中署の調べに対し「(少女と)カラオケや飲みに行ったことはあるが、淫行(いんこう)をしたことはない」と容疑を否認している。
同署によると、同容疑者は20日午後、名古屋市内のホテルで、三重県内の専門学生の少女(16)に現金を支払う約束をし、みだらな行為をした疑い。市内の出会い系喫茶で知り合い、少女がアパートを借りるための敷金30万円を支払う約束をしたという。
「県民におわびする」と話す神田真秋知事=北名古屋市内で
◆「情けなさと怒り」 謝罪続く知事
県職員の相次ぐ逮捕に、前日の会見で謝罪したばかりの神田真秋知事。「再発防止を県庁挙げて取り組まなければならない。県民の皆さんに真摯(しんし)におわび申し上げる」と再び謝罪した。
北名古屋市内で取材に応じた神田知事は「情けない思いで、怒りすら覚える」と切り出し、「私生活とはいえ、公務員に対する県民の信頼を裏切った」。青少年の健全育成を担当していた職員による児童買春容疑での逮捕には「重く受け止める」と険しい表情を見せた。
「こういうこと(不祥事)が重なり、公務員に対する信頼そのものが問われている。手をこまねいていてはいけない」と話し、再発防止を徹底させる考えをあらためて強調した。
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